現代は短い言葉で、的確に伝わる文章を書く力、”短文力”が重要です。
そのちょっとしたコツや工夫点、広告業界のライティングスペシャリストがお伝えします。
広告制作に携わる人のみならず、すべての人の”短文力”アップに役立ちますように。
今回は、つい話し言葉と同じように使ってしまいがちな「あいまいフレーズ」についてご紹介します。
「きちんと」「しっかり」はNG?
何も語っていない「あいまいフレーズ」に要注意!
「きちんと」「しっかり」が口癖になっていませんか?
「きちんと対応いたします」
「今後はしっかりと取り組んでまいります」
何かミスをしたとき、上司や先輩にこう反省の言葉を述べた経験、
きっと誰にでもあるのではないでしょうか。
日常会話では、「きちんと」「しっかり」といった副詞がよく使われます。
「あのメンバーはしっかりした人たちばかりだから、集合時間にきちんと集まる」
この場合の「しっかり」とは堅実で信頼が置けることを意味し、
「きちんと」とは、正確さを指します。
「重要な会合なので、きちんとした服装で、しっかり挨拶しなくては」
この場合の「きちんと」とは、整っているさまを表し、
「しっかり」とは、気持ちを引き締めて確実に行うことを指します。
「きちんと」「しっかり」といった表現は、話し言葉なら
前後の文脈も含めてニュアンスが伝わるかもしれません。
ところが書き言葉の場合は、少し注意が必要です。
たとえばクライアントや新規営業先に
自社の業務をアピールする場合、
こんなふうに書いてしまってはいないでしょうか。
「動画制作は当社にお任せください!
クリエイターやデザイナーがシナリオ作成から納品まで
しっかりプロデュースします!」
「パンフレット制作は、当社の経験豊富なプロデューサーが
きちんと進行管理を行います!」
これのどこがダメなの?
と思うかもしれません。
でも、避けたほうが無難です。
なぜなら、「何も語っていない」からです。
あいまいフレーズは信用を失う!?
提案書や企画書を提出する際は、クライアントに
「この会社に制作をお願いしよう」と思ってもらわないとなりません。
その場合、「しっかりプロデュースします」「きちんと行います」
だけでは、あまりにも漠然としていますよね。
相手が知りたいのは、
何をどのようにサポートしてくれるのか、という具体的な内容であり、
不安や不明点の解消であり、この会社に発注することのメリットです。
これに答えず、「きちんと」「しっかり」といった
あいまいフレーズを多用してしまうと、
相手はあなたに対して表面的な印象を持ちます。
知りたいことに何一つ答えてくれない(寄り添ってくれない)、
そうした人に広告制作を依頼しようとは思わないでしょう。
会社への信用も失いかねません。
具体的な書き換え例を見てみましょう。
「しっかりプロデュースします」の場合は、
「事前にヒアリング・打合せを行い、お客様のご要望を十分に把握した上で
制作を行っていきます」
などとすると、誠実に対応してくれる会社なのだということが伝わります。
「きちんと進行管理を行います」の場合は、
「制作に関しては社内で進捗確認を随時行い、確実に納期を守ります」
などとすると、体制が整っていて信頼できる会社だと感じてもらえるはずです。
そしてもう一つ。
「しっかり」「きちんと」を企画書などに多用してしまう人は、
自身が具体的なイメージを持っていないことが少なくありません。
裏を返せば、具体的な業務内容や段取りがわかっていなくても
「しっかり」「きちんと」といったフレーズは使うことができてしまう、
じつに便利な言葉なのです。
読み返したとき、「きちんと」「しっかり」といったフレーズが出てきたら、
具体的な内容に書き換えられないかを検討してみましょう。
こうした小さな積み重ねが、会社の信頼と実績につながっていくはずです!
クリエイティブにおけるキャッチコピーや文章は、的確かつ読ませる工夫が不可欠。
「これでちゃんと伝わる・・・?」と、お悩みを抱えている方も多いと思います。
そんなときはぜひ一度、弊社までお気軽にお問い合わせください。
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株式会社メッセ(東京都中央区京橋)
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