ほんのひと手間で劇的に変わる!
「言いにくいこと」を伝えるための
好印象テクニック

社内外のコミュニケーション文章術

現代は短い言葉で、的確に伝わる文章を書く力、”短文力”が重要です。
そのちょっとしたコツや工夫点、広告業界のライティングスペシャリストがお伝えします。
広告制作に携わる人のみならず、すべての人の”短文力”アップに役立ちますように。

今回は、言いにくい事柄を上手に伝えるちょっとしたコツについてご紹介します。

ほんのひと手間で劇的に変わる! 
「言いにくいこと」を伝えるための好印象テクニック

「言いにくいこと」をシンプルに伝えると誤解を招く!?

広告制作の仕事をしていると、クライアントに言いにくいことを伝えなくてはならない場面が多々出てきます。たとえば「原稿を修正してほしい」「スケジュールを再調整してほしい」「追加の費用をいただきたい」といった具合です。 

このブログでも述べてきたように、「文章は短く、シンプルかつ的確に」が鉄則。
でも、「言いにくいこと」を伝えるとき、シンプルな言い切りの文章にしてしまうと相手に失礼な印象を与えてしまいかねません。ここは少し注意が必要です。

メールでの文例を具体的に見ていきましょう。 

原稿の修正依頼
「打合せした内容と、いただいた原稿の内容が異なります。 
これでは誌面に使うことができません。

打合せではA社の魅力がより伝わるようにという話でした。 
書き直しをお願します」 

スケジュールの再調整依頼(クライアントのB様宛て)
「初校の提出、当初は10日となっていましたが、
B様データの支給が遅れため、15日としてください。
ご検討をお願いします」 

費用の追加依頼
「明日、修正版を納品いたします。
見積りですが、原稿制作費としてプラス5万円いただけますでしょうか。
ご検討のほど、よろしくお願いします」 

いかがでしょう。要件は端的に記されているのですが、少し突き放したような印象を受けるのではないでしょうか。
こうしたメールのやりとりで相手の気を悪くさせてしまうと、クライアントとの信頼関係を築くことが難しくなります。

では、どのように書き換えればよいでしょうか。 

まず大切なのは、「どう書くか」より先に、「相手に対する思いやり」と「謙虚な姿勢」を持つことです。
それがないと、何を書いても通り一遍の文言になってしまい、相手の心に響きません(どんなに丁寧でも、マニュアル通りの対応が感動を呼ばないのと同じですね)。

テクニックよりも先に「心」があることが大前提。
その上で、何を書き加えるか、どう書き換えるかを見ていきましょう。

 

謙虚な表現とプラスアルファのひと言で、印象はガラリと変わる!

まずは、原稿の修正依頼から。

〈元の文例〉
「打合せした内容と、いただいた原稿の内容が異なります。
これでは誌面に使うことができません。
打合せではA社の魅力がより伝わるようにという話でした。
書き直しをお願いします」 

リライトのポイントは次の4つです。
①「異なります」という断定的な表現は避け、相手に判断を委ねる書き方に。 
②「誌面に使うことができない」という表現はあまりに失礼で、かつ書かなくてもわかることなので削除。 
③内容が異なっていることを示すために(また、相手にどんな内容だったかを思い出してもらうための配慮としても)、打合せの内容についての記述は残す。ただし断定口調だけ変更。 
④「書き直しを」という直接的な表現を避け、「確認してもらえたら有り難い」というスタンスに

これらを踏まえて書き直すと、次のようになります。

〈リライト例〉
「先日打合せした内容と、いただいた原稿の内容が
少し異なっているように感じますが、いかがでしょうか。
打合せではA社の魅力がより伝わるようにという話だったかと思います。
今一度ご確認いただけましたら幸いです」 

ちなみに最後の一文、「ご確認ください」だけでも間違いではないのですが、やや命令口調のニュアンスが出てしまいますので、あくまでも相手に希望を伝える程度に留めましょう。
このような書き方をするだけで、相手の心証を悪くすることなく、「あれ、そうだったかな。もう一度確認して書き直してみよう」と思ってもらうことができます。 

次は、クライアントのB様に宛てたスケジュールの再調整依頼です。 

〈元の文例〉
「初校のご提出、当初は10日となっていましたが、
B様のデータの支給が遅れため、15日としてください。
ご検討をお願いします」
 

ここで一番に書き換えなければならないのは、「B様のデータの支給が遅れため」という一文です。
これでは相手を責めているかのように受け取られかねません。たとえ遅れたのが事実だったとしても、何らかの事情があってのことではないでしょうか。この場合、書かないか、あるいは事情説明に留めるのがマナーです。相手もきっと十分にわかっているはずです。
ここではスケジュールが厳しい状況を伝え、クッション言葉をプラスしてスケジュールの変更を依頼しましょう。
さらに「ご検討をお願いします」も、相手に希望を伝えるニュアンスにしたほうが、より好印象です。 

〈リライト例〉
「初校のご提出、当初は10日となっていましたが、
昨日データを支給いただいたこともあり、スケジュールが大変厳しい状況です。
誠に恐縮ですが、ご提出日を15日にしていただけますでしょうか。
ご検討いただけましたら幸いです」

こうした言い回しなら、クライアントのB様も「それはそうだよね」と、きっとOKしてくれるのではないでしょうか 

さて、最後は、費用の追加依頼です。
当初の見積りより制作に時間も手間もかかり、追加で費用を請求せざるを得ないケースは少なくありません。 

〈元の文例〉
「明日、修正版を納品いたします。
見積りですが、原稿制作費としてプラス5万円いただけますでしょうか。
ご検討のほど、よろしくお願いします」 

ここでのリライトのポイントは、「徹底してお伺いを立てる」こと。
「いただけますでしょうか」と相手に依頼する書き方をしていますが、シンプル過ぎて、すでに自社での決定事項を押しつけているように受け取れます。
とりわけ費用はデリケートな問題。相手にも予算があることですから、あくまでこちらの希望を伝え、ご相談というレベルに留めましょう。 

〈リライト例〉
「明日、修正版を納品いたします。
見積りですが、仕様が途中で変更となりましたので、
原稿作成費を追加させていただけると有り難いのですが、よろしいでしょうか。
概算としては5万円ほどと考えております。
誠に恐縮ではございますが、ご検討くださいますようお願い申し上げます」 

費用が追加となった事情に触れ、「そうしていただけると有り難い」というこちらの希望と、「よろしいですか?」とお伺いを立てることで、相手も考慮しようという気持ちになってくれるはずです。

いかがでしたか。
どんな業種でも、仕事はお客様あってのもの。
つねに「一緒に仕事をさせていただいている」という気持ちを持って接したいものですね。

クリエイティブにおけるキャッチコピーや文章は、的確かつ読ませる工夫が不可欠。
「これでちゃんと伝わる・・・?」と、お悩みを抱えている方も多いと思います。
そんなときはぜひ一度、弊社までお気軽にお問い合わせください。
ライティングのプロがとことんサポートいたします。

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創業40年超、東京都中央区の広告制作会社です。日ごろよりクライアント様のご依頼にて、WEB、パンフレット、情報誌など広告媒体を通じて情報を届ける業務を行っております。

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