現代は短い言葉で、的確に伝わる文章を書く力、”短文力”が重要です。
そのちょっとしたコツや工夫点、広告業界のライティングスペシャリストがお伝えします。
広告制作に携わる人のみならず、すべての人の”短文力”アップに役立ちますように。
今回は、文章作成のカギとなる述語の使い方について見ていきましょう。
「短文」を目指す人の落とし穴
述語の「ひとまとめ」に要注意!
そもそも述語とは?
述語とは、どうしたのか、どんななのか、何なのかといったことを示す動詞や形容詞などの総称です。
たとえば「彼女はデザイナーだ」という場合、
「彼女」が主語で、何なのかを意味する「デザイナーだ」という言葉が述語にあたります。
「企画案を提出する」という文章の場合、目的語である「企画案を」に対し、
どうしたのかを示す「提出する」という言葉が述語です。
述語とは、主語や目的語を説明するフレーズだと考えるとわかりやすいかもしれません。
主語や目的語に対して述語が適切なら、スッキリとした、誰が読んでもわかりやすい文章になります。
ところが原稿の校正をしていると、主語・目的語と述語が対応していないケースが時折見つかるのです。
もっとも多いのは、複数の主語や目的語があるのに、述語をひとまとめにしてしまっているパターンです。
述語をひとまとめにすると、意味が通じない!?
「校正業務では、デザインやコピーを何度も読み返しています」
この文章、スッキリとまとまっているように感じられますが、どこか違和感を覚えませんか。
そう、「コピーを読み返す」はOKなのですが、「デザインを読み返す」とは言いませんよね。
複数の主語や目的語がある場合、それぞれに述語が適切に対応しているかどうかがポイントです。
ひとまとめにしてしまうと、かえって意味が通じにくくなってしまいます。
この場合、デザインは「見返す」とか「見直す」などとしたほうが適切でしょう。
「デザインを見直したり、コピーを読み返したりしています」
これなら、目的語と述語がそれぞれ対応しているので違和感なく読むことができます。
よりスリムにまとめたい場合は、デザインとコピーの両方に使える述語を入れてはいかがでしょう。
「デザインやコピーを何度もチェックしています」 といった具合です。
適切かどうかは、文章を分解してみるとわかる
もう一例、今度は健康診断のメリットについて記した一文を見てみましょう。
「自覚症状のない病気や何らかの異常が見つかっても、 早期発見・早期治療につながります」
この文章も、言いたいことは何となくわかるのですが、スッと頭に入ってきません。
こういうときは、文章を分解してみて、述語がきちんと対応しているかをチェックしてみるのがおすすめです。
主語は「自覚症状のない病気」と「何らかの異常」の二つ。
述語は、「早期発見につながる」「早期治療につながる」の二つ。
主語+述語の組み合わせとして適切なのは次のとおりです。
「自覚症状のない病気」+「早期発見につながる」
「何らかの異常」+「早期治療につながる」
この順番でつなぎ合わせると、言いたいことが端的に伝わる文章になります。
「自覚症状のない病気の早期発見や、異常が見つかった場合の早期治療につながります」
日本語の場合、前後の文脈で主語は省略できますが、述語は省略することができません。
述語は、いわば文章作成の「キモ」なのです。
次回は、また違ったパターンの「述語の落とし穴」についてご紹介します。
クリエイティブにおけるキャッチコピーや文章は、的確かつ読ませる工夫が不可欠。
「これでちゃんと伝わる・・・?」と、お悩みを抱えている方も多いと思います。
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