現代は短い言葉で、的確に伝わる文章を書く力、”短文力”が重要です。
そのちょっとしたコツや工夫点、広告業界のライティングスペシャリストがお伝えします。
広告制作に携わる人のみならず、すべての人の”短文力”アップに役立ちますように。
今回は少し長い文章を書くときに陥りやすい「述語の落とし穴」について見ていきましょう。
長文のときこそ要チェック!
主語と述語を対応させる文章分解術
「伝わる文章」のカギは述語にあり!
➡︎vol.11「短文」を目指す人の落とし穴 述語の「ひとまとめ」に要注意!
でもご紹介しましたが、「伝わる文章」を書くためには、主語・目的語に対して述語が適切であることが必須です。
簡単に復習しましょう。
述語とは、どうしたのか、どんななのか、何なのかといったことを示す動詞や形容詞などの総称で、「主語や目的語を説明するフレーズ」のことです。
たとえば「生活習慣を見直そう」という文章なら、「生活習慣を」という目的語が主語で、どうするのかを示す「見直そう」が述語です。
前回は、複数の主語・目的語に対して、ひとまとめにした述語を使ってしまう落とし穴について紹介しました。
じつはこのほかにもう一つ、陥りやすいパターンがあります。
それは、少し長い文章を書いた場合の主語と述語の組み合わせ。書いているうちに言いたいことがズレていき、主語に対応する述語がないまま文章が終わってしまうケースです。
伝わらない文章は、「分解」して考える
次の一文を見てみましょう。
「私がスポーツジムに通って感じたことは、最初の頃は筋肉痛で大変でしたが、通っているうちに友人もでき、少しずつ慣れてトレーニングを楽しめるようになり、身体も軽くなりました」
もうおわかりですね。
スポーツジムに通って感じたことをあれこれ思い出しながら書いているうちに、主語に対応する述語がないまま文章が終わってしまっています。これでは結局、「感じたことは何だったのか」が読み手に伝わりません。
「伝わりにくいな」と感じたとき、私はいつも文章を分解し、「文頭(主語)」と「文末(述語)」だけをつなげてみています。
例文の場合なら、
「私がスポーツジムに通って感じたことは」+「身体も軽くなりました」
となります。
こうすると、主語と述語が対応していないことが一目瞭然です。
「文章を分解して、最初と最後をつなげる」というテクニック、ぜひお試しください。
伝わらない長文は、どう変える?
最後に、例文について、いくつかリライトのパターンをあげてみましょう。
- 結論先行パターン
「私がスポーツジムに通って感じたのは、慣れればトレーニングは楽しいということです。最初の頃は筋肉痛で大変でしたが、通っているうちに友人もでき、身体も軽くなりました」
- 感じたことの中でもっとも重要と思われる主張を、主語の直後にもってきました。そのほかは補足として付け加えています。優先順位をつけて結論を先に述べるだけで、「伝わる文章」に変わります!
- 並列&箇条書きパターン
「私がスポーツジムに通って感じたことは次の4つです
・最初は筋肉痛でつらかった
・通っているうちに友人ができたので嬉しかった
・慣れればトレーニングを楽しめようになった
・いつの間にか身体も軽くなっていた」 - 制作する広告の目的や内容にもよりますが、あまり長文を入れたくない、ポイントだけ記したいというケースは少なくありません。その場合、優先順位はつけずに、すべて並列で箇条書きにしてしまうというのも一つの手法です。
- 主語を最後にもってくる「ガラガラポン」パターン
- 「最初は筋肉痛に苦しみました。でも、通っているうちに友人もでき、トレーニングが楽しみに。気がつけば身体も軽くなっていたんです。それが、スポーツジムに通った私の感想です」
- 元の文章の構造にとらわれず、順番をひっくり返す「ガラガラポン」のパターンです。
広告制作でこうした修正が許される場合は、トライしてみてはいかがでしょう。何の感想なのかを最後に入れることで、印象的な締めくくりになります。 - どんなリライトが適切なのかは、クライアントの意向はもちろん、広告全体の構成や内容によって異なります。
ただ、文章がわかりづらいな、どう変えようかなと迷ったときは、「①述語が適切に対応しているかどうか」を、「②文章を分解して考える」と、改善点が見えてきますよ!
クリエイティブにおけるキャッチコピーや文章は、的確かつ読ませる工夫が不可欠。
「これでちゃんと伝わる・・・?」と、お悩みを抱えている方も多いと思います。
そんなときはぜひ一度、弊社までお気軽にお問い合わせください。
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