現代は短い言葉で、的確に伝わる文章を書く力、”短文力”が重要です。
そのちょっとしたコツや工夫点、広告業界のライティングスペシャリストがお伝えします。
広告制作に携わる人のみならず、すべての人の”短文力”アップに役立ちますように。
今回は、文章をすっきり見せるための推敲ポイントである、重複表現について見ていきます。
「違和感を感じる」は誤用?――
重複を避けよう
「重複がないか」は、推敲の重要なチェックポイント
私たちは日々、広告原稿のチェック(校正)をしています。
誤字脱字はないか、文意がきちんと通るかどうか、そして重複している箇所はないか。
今回は、広告制作やビジネスのやりとりでよくある「重複」を見ていきましょう。
この部分を削るだけで、文章がすっきりします。
例)
①お住まいの近くになければ、他の地域の他の専門医を探してみましょう。
→こちらは同じ文言が繰り返されているので、明らかな重複。「他の地域の専門医」で意味が十分に通じます。
②一番最初にお伝えしたいのは、生活習慣病のリスクです。
→「一番」と「最初」は、言葉は違っても同じ意味ですので、どちらかを削りましょう。より重要であることを伝えたい場合には、「最も」などに変える手も。
③制作会議の日時はまだ未定です。
→「未定」とは、「まだ定まっていない」という意味ですので、こちらも文意が重複します。「日時は未定です」「日時はまだ決まっていません」とするほうが適切です。
「各~ごと」「違和感を感じる」…これって重複!?
以下は、果たして重複なのかどうか、迷ってしまうパターンです。
④各グループごとにエントリーしてください。
→「各」と「ごと」は同じ意味かというと、じつは少々異なります。
「各」は「それぞれ」を表し、「ごと」は同じ条件下で同一の事柄が行われる場合に使います。直訳(?)すると「それぞれのグループは、どのグループもみなエントリーしてください」となるでしょうか。
重複とまでは言い切れないけれど、やや冗長な印象は拭えません。
うう~ん、といつも頭をひねりますが、こうしたときは前後の文章を考慮しながら変えるようにしています。
「人数が集まったら、グループごとにエントリーしてください」
「締切は××日です。各グループは忘れずにエントリーしてください」
といった具合です。
では、次の文章はどうでしょう。
⑤このロゴデザインは大きすぎて違和感を感じます。
→こちらは意見が分かれる一文です。「しっくりこないと感じている」ことを感じる、という意味だから、重複ではないかという意見。
違和感という言葉は“感覚そのもの”を指す独立した言葉で、「それを感じる」という意味だから重複ではないとする意見。
……迷いますね。
言葉の使われ方からすると後者のほうが有力な気もしますが、それでも校正業務を続けていると、「感」が続くのは避けたいという気持ちがわいてしまいます。
この場合は、「違和感がある」「違和感を覚える」「違和感を抱く」などに変えるのがベターでしょう。
明確な正解がないところが文章の難しさであり、また奥深さでもありますね。
いずれにしても「重複部分はないか」という観点で見直してみると、文章がスリム化できたり、より良い表現に変えることができたりします。
これ、「短文力」向上に必須のスキルです!
クリエイティブにおけるキャッチコピーや文章は、的確かつ読ませる工夫が不可欠。
「これでちゃんと伝わる・・・?」と、お悩みを抱えている方も多いと思います。
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